おうちコリア留学です🏠🌼
最近は学部入学だけではなく、大学院を志望される方もどんどん増えています!
そこで今回は現役大学院生が普段どういう大学院生活を送っているのかをおうちコリア留学スタッフがご紹介します✨
(大学院は「修士課程」、「博士課程」、「修士博士統合課程」の3つがありますが、今回は主に「修士課程」の内容を詳しく見ていきます👀)
目次
「大学院」ってどういうところ?
みなさんは「大学院」と聞くとどういうイメージが思い浮かびますか?🤔💭
・勉強好きな人が行くところ
・専門的なことを学ぶところ
・なんか難しそう
こういうイメージがあるかなと思います。
では具体的に「大学院」はどういうところなのか見ていきましょう🔍
①「学部」との違い
まず大きな違いは出願資格です。
学部の場合は高校卒業後に新入学で出願、または大学・専門大学・短期大学を卒業した後なら2/3年次編入枠にも出願ができます。
一方、大学院の場合は「学士号」を取得してからでないと出願できないため、まず大学を卒業し「学士号」を取得する必要があります。
学部新入学は4年間、編入学は2年または3年勉強しますが、大学院は2年間(修士2年/博士2年/修博統合4年)が基本です。
これはあくまでも「学位取得のために最低限登録しないといけない学期」であり、必ずしも2年で卒業できるとは限りません。
(わたしの同期は24人いますが、そのうち2年で卒業できるのは今のところ10人だけです)
その理由は「卒業要件」にありますが、詳しくは「修士論文って何を書くの?」の部分で説明します!
もうひとつの違いは「勉強する」か「研究するか」の違いです。
学部の場合は基本的な知識を一から教えてもらい、専門的な内容についても触れていく「勉強」寄りですが、大学院は少し違います。
もちろん大学院でも新しい事を学びますが、それで終わりではなく「研究」をします。
新しいことを学ぶ
⬇︎
過去の理論と比較
自分の研究したい内容と関連付けて新しく理論や方向性を発見
⬇︎
その内容を小論文や修士論文で発表する
ざっくり、このような流れになります。
大学院の根底には「自分が所属する研究分野に新しい知見を提供し、その分野の研究者たちと意見交換を行う」という考え方があります。
②大学院の種類
韓国には様々な大学院がありますが、大きく分けると「研究メインの一般大学院」と「実務メインの特殊大学院」の2つがあります。
特殊大学院はそこからさらに細分化ができ、特に有名なのは「国際大学院、通翻訳大学院、教育大学院、経済大学院」です。
いずれの大学院も外国人の入学は可能ですが、特殊大学院は韓国人学生と同じ枠で出願するパターンが多いので、その分競争率も高くなります。
一般大学院であれば外国人選考での受験が可能なので、韓国人学生よりは少しだけ入学しやすくなっています。
種類 | 内容 | |
一般大学院 | 学術的な研究能力の育成が目的。研究志向が強く、教授とのマッチングがかなり重要。 | |
特殊 大学院 |
国際 大学院 |
国際関係、外交、安全保障、国際ビジネスなどを専門に扱う。英語での授業がメイン。 |
通翻訳 大学院 |
通訳・翻訳の専門家を育成する。同時通訳・逐次通訳などの実技授業も多い。 | |
教育 大学院 |
教員免許取得や教育現場での実務スキル向上を目的とする。教職経験者が多い。 | |
経済 大学院 |
経済学や経営学を実務的に学ぶ社会人向けの大学院。 |
授業以外の時間は何をしている?
大学院での授業の雰囲気や内容は以前記事にしているので、こちらからご覧ください💁♀️
ここでは授業以外の時間をどう過ごしているかお伝えしようと思います!
①課題や発表準備
大学院は(授業によりますが)課題や発表がかなり多いです😵
例えば「韓国語教材論」という授業では、学期を通じて小論文(約30ページ程度)を完成させるために毎週発表がありました。
1週目のオリエンテーションでは「何をテーマに、誰を対象とした、どういう教材を、なぜ分析して、何を明らかにするのかを10分で発表しなさい」という課題があったので、学期が始まる前から準備する必要がありました。
これらをはっきりさせるのに欠かせないのが「先行研究の分析」です。
簡単にいうと、「過去の研究者たちがどういうテーマでどういう研究をしてきて、何が明らかになっていて、何を明らかにできていないのか」を分析することですが、これにとてつもなく時間がかかります。
先行研究は原則論文でないとならず、また論文を1本読んだだけでは「分析」とはいえないので、最低でも10本以上読まなければなりません。
さらに、この授業は毎週課題として「次回扱う授業内容について授業で使用している教材を元にA4用紙1枚にまとめる」というものもありました。
もちろん履修科目はこれだけではないので、他の授業の課題もやりながらこういった課題をこなす必要があります😂
また授業内の発表も、単に論文を要約して発表するのではなく、自分の意見と組み合わせたり、今まで先行研究で明らかにされていないことを明らかにして自分のオリジナリティを出していくことが大事になってきます💡
オリジナリティを出すには、やはりたくさんの論文を読んで、まとめて、考えて、また読んで、考えて・・・の作業を繰り返す必要があるので、大学院に入ると論文を読む速度が上がります!
②予習
これは大学院に限った話ではありませんが、授業の予習も欠かせません。
予習はあくまでも任意ですが、予め内容を確認してから授業に臨むのと、そうでない状態で臨むのでは理解できる深さが大きく異なります。
今履修している「한국어쓰기교수법연구(韓国語筆記教授法研究)」という授業では毎週授業内小テストがあり、成績にもダイレクトに反映される大事なテストです。
事前に予習しておき、受講生の発表を聞き、途中に教授が問いかける質問にも答え、教授の補足説明も聞けば、長期記憶にもつながり、小テストも満点を目指すことができます💯
そして予習してから授業に臨むと、授業を聞きながら自分の研究にどう活かせるのかも考えられるので、結果としてよりよい修士論文を作り上げることができます。
修士論文って何を書くの?
このように授業に一生懸命参加していても「修士論文」を提出できなければ卒業はできません。
そもそも「論文」とは何でしょうか?
①レポートとの違い
「レポート」は与えられたテーマについて内容を整理・説明する内容が主で、レポート作成で使用する資料は主に授業で使っている教科書や担当教授が指定する資料であることが多いです。
文字数も数百~2,000字程度で、そこまで大量ではありません。
対して「論文」は自分独自の問いを立て、それに関する先行研究や文献調査、教材分析、実験などを通じて答えを導きます。
文字数はレポートの何倍もあり、数万字書く必要があります(わたしは現在14万字、A4用紙換算で約160ページを執筆しています)
例を挙げると、このように整理することができます。
レポート | 「若者のSNS利用の現状について資料を元にまとめなさい」 |
論文 | 「日本の大学生におけるSNS利用が対面コミュニケーションに与える影響分析ー意識調査と会話分析を通して」 |
ただ、大学院で提出する授業レポートは「レポート」と表記しつつも「論文」レベルの内容が求められることも多々・・・(笑)
②修士論文提出までの道のり
修士論文はだいたい3学期目から書き始める大学院がほとんどですが、わたしの通う大学院では入学した翌月には論文のテーマを決めて「주제선정발표(論文テーマ選定発表)」を行いました。
それ以降は学期に2回程度教授と面談を進め、修士論文をどういう方向で書いていくか相談します。
夏休み中や冬休み中も執筆を進め、3学期目に「예비발표(予備発表)」を行いますが、外国人留学生はこの予備発表を入学して6学期目までに行わないとビザが取り消しになり、強制帰国になります。
そして4学期目に「초록발표(抄録発表)」を行った後、論文審査で合格すれば、晴れて修士課程卒業です🌸
ただ、これらは授業を受けていれば全員通過できるというわけではありません。
まず各発表を行う前に教授と面談をしますが、その際に進捗状況が芳しくない、教授のフィードバックが反映されていないなどの問題があった場合は発表させてもらえません。
また、「外国語試験」と「総合試験」にも合格する必要があります。
外国語試験は外国人学生の場合TOPIKで免除になることもあるので特に問題ありませんが、総合試験はしっかり対策が必要です。
総合試験は3学期目を登録した学生が対象で、共通科目・選択科目の計2科目を受験し、どちらも合格すればクリアです。
2年で卒業するには3学期目に1回、4学期目に1回の計2回受験チャンスがあるので、一度不合格になっても次の学期にチャレンジして合格すれば問題ありませんが、2回目も不合格の場合は4学期目の抄録発表に参加できず、結果として卒業が延びてしまいます。
試験範囲はテキスト数冊、論文数本、または授業を聞いてS評価をゲットできれば試験は免除・・・など学科や大学によっても異なります(わたしの学科は卒業予定の先輩方の論文計19本が試験範囲でした)。
大学院に入るためには?
大学院に入るためには、どのような準備をしていく必要があるでしょうか?
①大学の成績
大学院に出願する際には大学の成績を必ず提出しなければならないので、現在大学生の方はできるだけ良い成績が取れるよう、日頃の課題や発表、定期試験に力を入れていきましょう💪
しかし、GPAが低いからといって諦めるのは早いです!!
語学成績や研究計画書、自己紹介書、面接などで挽回できる部分もあるので、併願校も受験しながらレベルの高い大学院にも積極的に挑戦しましょう!!
②出願に必要な語学成績
大学院が指定する語学成績は必ず準備しましょう!!
志望学科によってはTOPIK6級が必要だったり、英語の成績が必須だったり、または韓国語も英語も提出しなければならない学科もあるので、自分が行きたい学科はどのような基準を設けているのかは要チェックです✅
TOPIKやTOEFLなどは機会があれば積極的に受験して、より高い点数を取れるよう勉強を進めましょう✨
中には「TOPIKを持っていても授業についていけるか不安」という方もいらっしゃいますが、そういう方はYouTubeなどで講演会やニュースの動画を繰り返し見ることもオススメです📺
入学前に関連分野の論文を読んでおくのも長文に慣れるための方法です📚
③研究計画書
一番大切だといっても過言ではありません!!
この研究計画書に書いた内容を、入学後必ずしないといけないということではないので、現時点で書けるだけ詳しく書いていきましょう。
論文の結論部分以外はすべて書くくらいのイメージで緻密に書く必要があります。
研究計画書の内容やインパクトが弱かったり研究範囲が広大すぎると、面接時に面接官の教授からかなり詰められます😭
私が某大学(一般大学院)を受けた時、面接官の教授に「これ大学院じゃなくてもできる内容だよね。わざわざ大学院に来る必要ないんじゃない?」と言われました。
今思えば当時の研究内容はオリジナリティに欠け、文献調査をするだけで解決できてしまうようなぐらい甘い仕上がりでした。
そこからもう一度研究内容を見つめなおし、結果その大学ではないですが別の大学院に入学できました。
研究目的や必要性はもちろん、研究方法や意義までしっかり書いて「わたしは大学院に入学してすぐ研究に取り組めます!!」という研究への熱意をアピールしましょう🔥
大学院生からのメッセージ
「韓国語教育」という自分が大好きな分野をもっと極めたいと思って大学院への留学を決めましたが、大学院生活は大変なことも多いです。
授業5科目を受講して毎日12時間以上勉強した1学期目、毎日泣きながら総合試験の勉強をした2学期目、韓国語の教材を作るのに毎日朝4時まで作業したりグループ課題で悩んだ3学期目、論文修正に審査対策に課題まで盛りだくさんの4学期目。
この2年間で何回泣いたかわかりません。
それでも、わたしは韓国の大学院に来て本当に良かったと心の底から感じています。
韓国語教育の専門家である教授と議論ができること、学会に参加して意見交換ができること、論文を読んで得た知識を自分の論文に活かせること、それについて教授も意見をくださったこと。
ここでの生活は将来の自分にとって大きな大きな糧になりました。
今大学院に行こうか悩んでいる方は、「自分は何を研究して将来その分野にどう活かして社会に貢献していきたいか」「大学院生活を通じてどんな自分になりたいか」をイメージして、自分にとって最適な道は何かを選んでいただきたいなと思います😊✨
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